Tyga / Legendary

Release Date / 7 June 2019
昨年、2018年2月にタイガが発表した前作「Kyoto」は日本にインスピレーションを受けたと言うアルバムだったが、そのアルバムジャケットの卑猥なアートワークスが大炎上してしまった為、日本ではタイガというラッパーに否定的なリスナーもいるかもしれない。確かに「Kyoto」のジャケットは日本の女性、並びに日の丸の国旗までを蔑んだものにも見えるが、筆者としてはアートワークスよりもアルバムの内容そのものに疑問を持った事を覚えている。個人的にはタイガのラップのストロングポイントはタイトなフロウにあると思っていた。だが、前作「Kyoto」に収録されている楽曲の大半がメロディアスな歌うようなフロウに終始していて・・・本人がドレイクの影響を受けたのかも知れないが、劣化版ドレイクを聴かされているような気がしてウンザリしたものだ。いやこれはタイガだけの問題では無く、シーンには彼以外にもドレイク・フォロワー的なスタイルのMCは散見されるのだが、ヒップホップという枠の中で自身のオリジナリティで勝負しないという選択は非常にナンセンスでは?ならばこの度タイガが発表したニューアルバム「Legendary」はどうなのか?そう、タイガはこういうので良いんだよ。オフセットをゲストに迎えた先行シングル‘‘Taste’’がビルボードのシングルチャートでトップ10入りしたあたりから今作に期待はしていたが、無駄の無いトラップ系のサウンドにはタイガ本来のフロウが良く似合う。個人的には前作「Kyoto」より好きなアルバムだ。まぁ、アルバムタイトル曲の‘‘Legendary’’では前作同様に歌うようなラップを披露したりもしているが、たまに出す飛び道具としてなら全然アリだろう。そして、リル・ウェインやクリス・ブラウンといった旧知の仲間がゲストで援護射撃をした今作「Legendary」はチャート初登場17位と相成った。うーん、私見ではもっと売れても良さそうな出来映えだと思うのだが、近ごろはトラップ系のアルバムも飽和状態だからセールスの潰し合いは致し方ないところか?
(DJ YU-1)

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