Pop Smoke / Faith

Release Date / 16 July 2021
昨年の話になるが、2020年のヒップホップ・シーンにおいての最大のトピックスが、Pop SmokeとJuice Wrldの二人が死後にリリースしたアルバムの大ヒットである事に異論がある人間がどれだけいるだろうか?もちろん、上記両名のラッパーがシーンの主役とまで言い切るつもりは無いが、一年前のアルバム・・・例えばPop Smokeの『Shoot For The Stars Aim For The Moon』が未だにビルボード200の上位をキープしている事を考えると、あながち大袈裟な表現とも思えなくなってくる。そんな中でPop Smokeの新作となる『Faith』がドロップされてしまった訳だ。その凄惨な死から一年もの月日が経過してからのニューシットが。とはいえ熱心なヘッズなら特に驚くほどのニュースではないだろう。著名なラッパーが死後でも未発表曲をリリースする様は、もはや様式美とも受け取れるくらいに前例があるのだから。だが問題はその内容だ。そう、この『Faith』は、もうヒップホップのオールスターゲームとでも呼びたくなるくらいの濃密な20曲で聴き手の脳を揺さぶってくるではないか!
まず今作のクレジットに目を通すと、これまでにもPop Smokeにビートを提供してきた808 MeloやRico Beatsは当然として、Kanye WestやSwizz Beats、またThe Neptunesといった大御所に至るまでがビートをプロデュースしたトラックリストは全方位のヒップホップ・ヘッズに対して隙が無く、参加したゲストのアーティストも目が眩むくらいの面子がこぞって集結している。その中でも特に必聴なのが今をときめくDua Lipaをフィーチャーした”Demeanor”ではないか?この跳ねる様なアッパーなトラックに乗るPop Smokeのラップがバッチリとハマる”Demeanor”は、実はファンの間では以前からリリースが待望されていた幻の名曲。しかも下馬評以上のカッコ良さで御披露目してくるあたり、流石は曲の売り方を知っているラッパーだと思わず感服してしまった。もう、この熱量で新作を出されてしまうと、遺作だからとか死後のアルバムだとかの付加価値なしでもセールスを伸ばす事が容易に想像出来るくらいだ。(現に最新のビルボードチャートにて初登場1位が確定)更に先程は、今作の事を”濃密な20曲”と評したが『Faith』のデラックス版では24曲のボリュームで圧倒してくるのでご注意を。うーむ、ここまでやられてしまうと、もう手がつけられません。
そして、つくづく惜しい才能を無くしたと思う。R.I.P。

DJ YU-1

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