Release Date / 22 Feb. 2019
今作は本来なら昨年の中頃にはリリースされていたはずの問題作だ。今回の発表延期は昨年の8月に執行猶予中にも関わらず無免許運転で逮捕されてしまった影響も大いにあるだろう。まぁ、この程度ならラッパーが起こした事件としては特段驚くような出来事でも無いし、むしろ彼としては逮捕で泊が付いたくらいか?という訳でグッチ・ギャングのメンバーとして数々のヒットを飛ばしてきたリル・パンプがソロアルバムとしては自身2枚目となる「Harvard
Dropout」をリリースした。今作のアルバム・ジャケットのアートワークを見ても分かると思うが、この男はなんとも無鉄砲というか相変わらずのヤンチャぶりである。ヤンチャと言えば、実はこの「Harvard Dropout」リリース前に発表した新曲‘‘butterfly doors’’では東アジア人差別と受け取れるリリックが社会問題に発展してしまい、在米アジア系移民から総スカンを喰らってしまったリル・パンプ。同曲では中国人 = 元NBAプレイヤーのヤオ・ミンを揶揄してアジア人の目の細さをディスったというから、日本人としても思うところがあるのだが、渦中の本人は何処吹く風。特に中国系のMC達からのアンサーソングは激しいものがあったが、ビーフに発展する事は無く今作のリリースに至った。そんな「Harvard Dropout」では問題の‘‘butterfly doors’’は収録されてはいないが、他の曲でもリル・パンプ節は全開だ。‘‘Vroom Vroom Vroom’’、‘‘Nu Ur’’、‘‘Fasho Fasho’’といった独特のワードセンスでタイトルを与えられた楽曲達は意外とどれも聴きやすく、また今回リル・ウェインをゲストに迎えた‘‘Be Like Me’’に代表される様な分かりやすい金持ち自慢系のリリックも一周回って清々しいくらい。セールスも中々好調で米アルバム・チャートでは初登場7位を記録した。とは言え、前作「Lil Pump」や、かつてのグッチ・ギャングでの大ヒットと比べると初動の売り上げは大きく落としてしまったリル・パンプ。理由は分かるよね?この御時世、曲で人種差別しちゃっては好感度がダダ下がりなので気をつけましょうね(苦笑)
DJ YU-1
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