Keith Murray / Lord Of The Metaphor 2

Release Date / 18 May 2019
チャートの上位を賑わせているヒップホップ勢の華やかなアルバム達の影に隠れてこんなシロモノがドロップされていたなんて。いや、影に隠れてなんて失礼な(笑)デフ・ジャムの第一次黄金期からミドル・スクール全盛あたりのサウンドが好みのヘッズにはクリティカルヒット間違い無し。むしろ、この図太いビートは堪らなくハーコー(死語)ではないか!?という訳でニューヨークのレジェンドグループの一角であるデフ・スクワッドからキース・マリィのソロ「Lord Of The Metaphor 2」をお届け。これはタイトルから判る通り、キース・マリィが昨年の2018年に発表した「Lord Of The Metaphor」の続編にあたるようだ。そして結論から言うと今作は、前作を聴いたリスナー、又は90年代からヒップホップを追いかけている方には想像通りのアルバムになっていると断言する。参加したゲストからトラックメイカーに至るまで1993〜98年あたりの世界観から何ら変わり無いのだ。だが、それが良い。まず1曲目にトラックを手掛けるロックワイルダー渾身のワンループが響き渡る‘‘He’s Back’’から幕を開ける今作は‘‘Don’t Make No Sense’’ではエリック・サーモンとレッドマン、‘‘Transmitter Failure’’ではMr.チークスとG・デップ、‘‘All in Together Now’’ではヘルター・スケルター、‘‘Gotta Be Real’’ではキャニバスと、まるで同窓会さながらの濃ゆいMCが勢揃い。また‘‘The Majors’’ではスクラッチの声ネタにモブ・ディープの‘‘Shock One’s Pt.2’’を使用するなど、「Lord Of The Metaphor 2」は何処を切り取っても鬼ミドル仕様となっている。これは色々な意味で2019年産とは思えないアルバムなのだが、とりあえず主役であるキース・マリィのMCっぷりが相変わらずな感じで安心した。くそドープ。(これも死語か?)
(DJ-YU1)

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