Release Date / Dec. 16 2016
2010年代に入り、様々なミュージシャンのデビューのきっかけとして大きな役割を果たしてきたYouTube。このYouTube以前・・・かつてならライブ活動が話題を呼んでスカウトされたり、またはオーディションを受けたりすることがメジャーデビューへの道だろうか?それが今では世界中の何処からでも自身の楽曲を発信し、デビューへのきっかけを掴めるのだから便利な世の中になったものだ。おっと、PPAPの話じゃありませんよ(笑)まぁ、話題のピコ太郎とは‘‘アジア系’’という意味では同じカテゴリーか。いやいや、今回は本格派R&Bシンガーのお話。台湾系アメリカ人、ジェイソン・チェンのスタジオ・アルバム「Smile For The Camera」についてレポートしたいと思う。まず、このジェイソン・チェンとは何者か?ニーヨやクリス・ブラウンといったシンガーの影響を受けたというジェイソン・チェンは2011年頃からYouTubeに自身が歌うカヴァー曲のアップを開始する。すると、どこのレーベルにも所属していない無名の若者の動画が累計1億5000万再生という桁外れのインパクトを残す。日本版YouTubeでも「◯◯歌ってみた」系の動画が散見されるが、はっきり言って素人の歌をまともに聴きたいと思うだろうか?普通なら当然スルーするところであるが、何とジェイソン・チェンというシンガーは「◯◯歌ってみた」系と何ら変わらないスタート地点からの1億5000万再生である。この数字は紛れもなく歌唱力のみで勝ちとった真の実力の賜物であろう。そして2013年には、この歌唱力を武器にアルバム「Gravity」をリリース。同アルバムからは甘いメロディラインが印象的な‘‘Best Friend’’がYouTubeヒットを飛ばす。それ以降チェンの目立った情報が入っていなかったが、ここへきて今作「Smile For The Camera」の発表という訳だ。今作のジャケットのアートワークを見るからに一目でチェンがアジア系であることが分かるが、いざ楽曲を聴くとどうだろうか。台湾系アメリカ人という情報が無い状態で初見の人に聴かせたいくらいだ。確かにクリス・ブラウンあたりの影響を感じるが、しっかりとR&Bしているでは無いか。すでに歌のスキルは一線級。あとは自身にしか出せないオリジナリティが加われば一気に化ける可能性すら感じる。最近では奇しくも宇多田ヒカルの‘‘光 -Ray Of Hope MIX-’’が全米iTunesチャートで2位に付けるニュースが入ってきたばかり。アジア系シンガーが全米を席巻する日も近い?
(DJ YU-1)
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