Release Date / 1 September 2023
グループのスタジオアルバムとしては約10年ぶり。それどころか彼女達のメジャー仕事を遡ってみても、筆者の記憶が確かならば2016年にワーナーから発表されたシングル “Weekend” 以来、音沙汰が無かった。いや音沙汰が無かったといっても、それは彼女達のホームグラウンドのストックホルムから遠く離れた日本から見た景色の話だったのだろう。そう、かつては軽快な4つ打ちビートで各国のグローバルチャートをざわつかせた女性デュオ = Icona Pop のダンスミュージック・シーンにおける存在感は未だに健在だったのだ。その証拠に久々のリリースとなった今作『Club Romantech』の御披露目パーティが敢行されたニューヨークの夜は大盛況だったそうで、、、そんな久しぶりの彼女達のニューアルバムは本当にダンサブル!日頃から4つ打ちを聴く習慣の無い筆者の身体さえ今作を聴けば勝手に揺れ動く始末だ(笑)
その『Club Romantech』から注目曲をレコメンドするならば、まずは “Stick Your Tongue Out” が挙がるだろう。彼女達と同郷であるTove Lo のプロデューサーとして知られるTimfromthehouseが組み込んだ素材をYaro が仕上げた同曲は今作でも屈指の踊れる1曲。発表があと数週間遅ければ日本のナイトプールあたりでもヘビロテされていたのでは?(流石に9月の深夜にプールは寒いでしょう) 他にも中毒性なら今作随一を誇る “Desire” , Icona Pop の故郷をタイトルに冠した “Stockholm At Night” , USシーンのハウス女性シンガー = Ultra Nate がパワフルにシャウトする “You’re Free” など、今作では全編に渡り曲調はポップなんだけどビートの鳴りはしっかりと響くという安定したサウンドを楽しめた。そして、このサウンドこそがハウスDJとしても鳴らしてきた Icona Popらしさなのだろう。とても久しぶりのアルバムとは思えないクオリティに感心してしまった。
更には今作を引っ提げての大規模な北米ツアーも決定している Icona Pop。そこで彼女達のスケジュールを調べてみたら来日の予定は無さそうなのだが、アジアツアーを敢行してもフロア受けは抜群なのでは?と言う訳で来年のサマソニやウルトラジャパン辺りでフロアをロックする Icona Pop を楽しめるかも知れない。(プロモーターの方々、宜しくお願い致します!)
DJ YU-1