2015年にUK / USのアルバムチャートにて双方共に最高3位を記録した『Delirium』のヒットから5年が経過し、すっかりUKシーンの顔となったEllie Gouldingが自身4枚目となるスタジオアルバム『Brightest Blue』を発表した。まず前作『Delirium』と言えば、世界的にヒットしたシングル”Love Me Like You Do”に代表されるポップなキャッチーさが際立っていたが、今作『Brightest Blue』ではあのキャッチーさは少し控えめか?しかしながら、30代となったEllie Gouldingが歌う表現力はより深みが増した様に感じる。そう、今作の伏線として2018年にDiploとSwae Leeをゲストに迎えた”Close To Me”をドロップした事を皮切りに、Juice Wrldをフィーチャーした”Hate Me”、また16歳の頃の自身をリリックに込めた”Sixteen”と立て続けにシングルを発表したEllieだが、どの曲でもどこか切なげながらもしっかりと聴かせてくる彼女の歌声にすっかり魅了されてしまったのだ。更には今年の3月にリリースしたシングル”Worry About Me”では”hot girl bummer”のヒットでノリにノッているシンガーのBlackbearと共演し、より大人びた一面まで魅せてくれたではないか。(余談だが個人的には”Worry About Me”のメロディラインが今作での1番のフェイバリットだ。)
また、Ellie Goulding本人の言葉を借りれば前作『Delirium』の楽曲はライブでパフォームするには恥ずかしさが前面に出てしまったそうだが『Brightest Blue』を聴けばその発言にも納得できる様な気がした。少し語弊があるかもしれないが前作がキャッチーなポップスだとしたら今作はより成熟させたポップスと言うべきか・・・確かにこれから30代半ばを迎える女性シンガーには『Brightest Blue』のテンションの方がマッチしているのだろう。まぁ、肝心のセールス面では前作の”Love Me Like You Do”の様なキャッチーさがあった方が万人ウケするとも感じたが、それは本人にとっては余計なお世話か(笑)いずれにせよ今作がシンガーソングライターの作品として完成度の高いシロモノである事には間違いない。
DJ YU-1
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