Release Date / Sep. 29 2017
いくら洋楽に疎い人でもデミ・ロヴァートの事は、ディズニー映画『アナと雪の女王』のアメリカ版エンディングテーマを担当したシンガーと説明すればお判り頂けるだろうか?そんな彼女は本国アメリカで人気絶頂にあるテイラー・スウィフトとの熱いビーフでエンタメ業界を大いに騒つかせている。いや、業界内では‘‘テイラー・スウィフト軍団’’と揶揄される程の一大派閥を持つテイラーを相手にビーフを仕掛けたとあっては、いくらデミ・ロヴァートと言えども流石に分が悪く、昨年はデミ自身に批判が集まる一年だったように思う。そう、昨年までは・・・
今年に入ると反撃とばかりに自身を取り巻く環境や、ヘイター達を跳ね返すような強烈な一曲をリリースし、ジワジワとシングル・チャートを駆け上がっているのだからエンターテイメントは面白い。‘‘Sorry Not Sorry’’という反骨心丸出しのタイトルを付けられたシングルは、周囲の人から嫌われている人を勇気づけるアンセムという事だそうだが、自分自身を奮い立たせる意味も当然込められているのだろう。たしかに同曲のミュージックビデオではジェイミー・フォックスやウィズ・カリファ、パリス・ヒルトンらが参加し、話題になったことも売上の後押しになった事に間違いはない。それでも‘‘Sorry Not Sorry’’はビルボードHOT 100内で10週以上に渡りチャートに食い込むと一気に50位台からトップ10内へ上昇。同時期にテイラーの‘‘Look What You Made Me Do’’の方がバカ売れした事は皮肉な結果だが、昨年には活動休止まで考える程追い詰められたデミにとって今回のヒットは快心の出来事だったろう。更に立て続けにリリースしたシングル‘‘Tell Me Love Me’’では一転して繊細なリリックを聴かせたかと思えば同名タイトルとなるスタジオ・アルバム「Tell Me Love Me」を発表したデミ・ロヴァート。R&Bから強い影響を受けて制作されたというニューアルバムは女優としての一面を持つ彼女の表現力が随所に見てとれる。アルバムに収録された‘‘Cry Baby’’のようなバラードから‘‘Sexy Dirty Love’’のようなアッパーチューンまで歌いこなす姿からはデビュー当時のアイドルシンガーだった頃の面影は無く、一流の歌い手がドロップしたアルバムといった印象。最新のアルバムチャートでも初登場3位と、どうやら今年のデミは上り調子のようだ。今作は彼女の歌声を‘‘アナ雪’’でしか聴いた事の無いライト層が聴いても充分楽しめるのでは?
(DJ YU-1)
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