Release Date / 20 Dec. 2019
ソロ名義のアルバムとしては何年ぶりのリリースとなるだろうか?いや、2018年には彼が所属するディプロマッツが約14年ぶりとなるスタジオ・アルバム「Diplomatic Ties」をドロップしているので、次は自身のソロ作品が来ると予想していたヘッズも少なからずいたはずだが、ここまでの道のりは本当に長かった。そう、2000年代初頭には一世を風靡したRoc-A-Fella RecordsにてJAY-Zに次ぐエース格として活躍したMC = キャムロン。当時はキャムロン名義やディプロマッツでのヒット曲が毎週の様にビルボードでチャートインし、名実ともにメインストリームのド真ん中に君臨したラッパーだったが、その栄華も長くは続かなかった。周知の事実だとは思うが、キャムロンは2004年に所属レーベルの社長も兼任するJAY-Zとの不和が発覚すると、Nasや50セントとの間にもビーフを抱え、挙げ句の果てにはディプロマッツのメンバー内でも仲間割れを起こすなど、まるでNY中に敵を作った様な形になってしまう。ほどなく表舞台から姿を消してしまうのだが、風向きが変わったのは2010年にディプロマッツのメンバーであるジム・ジョーンズと和解した事がきっかけか?このジム・ジョーンズがキャムロンとJAY-Zとの和解に一役買うと、遂に2019年にはジガとキャムロンのステージでの共演が実現!当時の社長への禊が済んだからという訳ではないだろうが、ソロ名義では本当に久しぶりとなる「Purple Haze 2」を2019年末にドロップしてきた。そんな今作からのリードシングルは古くからキャムロンにトラックを提供している盟友スキッツォがプロデュースした”Believe in Flee”。同曲はシリアスで聴きごたえのあるビートに乗るキャムロンのタイトなフロウがなんとも懐かしい感触だ。その他にも”K.O.P”、”The Right One”、”The Get Back”といった00年代の王道を行くかの様なトラックがズラっと並んだかと思えば、”Big Deal”、”Fast Lane”、”This is My City”の様なキャッチーで馴染みやすいネタ使いのトラックもバランス良く配合。このハードなビートとキャッチーなビートの共存は当時のメインストリームの黄金比率に思えてきて嬉しくなったくらいだ。まぁ、まだまだ完全復活とはいかないが挨拶替わりの一発としては申し分ない出来栄えだろう。あとは今作「Purple Haze 2」が若い世代のヘッズ達にどう響くのかが非常に興味深くもある。だってキャムロンも随分ブランクが空いちゃったからねぇ。
(DJ YU-1)
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