Black Eyed Peas / Translation

BEP is Back!!”猿でも分かる◯◯”のフレーズでお馴染みの王者がシーンに帰還した訳だが、もう今作「Translation」の熱量は説明不要でしょう?
え?説明しないと分からない?(・・・確かにBEPを取り巻く環境に加えて彼等の音楽性は二転三転してきてたな、、、)よし、そんなヘッズ達にも敢えて説明すると今作収録の”Ritmo”と”Mamacita”が地球規模でバズりまくりで、正に絶賛お祭り騒ぎ中なのである。まず昨年2019年に大ヒットした”Ritmo”はウィル・スミス主演の映画『Bad Boys for Life』のサウンドトラックにも収録されているのだが、同曲はコロンビアを代表するアーティスト = J・バルヴィンをフィーチャーしたラテンナンバー。この身体にズシンと響くレゲトンのビートにキャッチーなフックが印象的な”Ritmo”は、MVが公開されると瞬く間に6億回再生される程の破壊力を持つ一曲だ。そして筆者の”個人的に夏に聴きたい曲ランク”で一気に上位に駆け上がったのが”Mamacita”な訳である。こちらはレゲトン・シーンの新たなキングとして君臨するオズナと、今作からファーギーに代わりBEPの紅一点ボーカルの座を射止めたJ.レイ・ソウルを前面にプッシュした一曲。この”Mamacita”は、一度聴いただけで夏のビーチにバシっとハマるラテンのリズムが堪らないのだが、同曲ではマドンナのクラシック”La Isla Bonita”のフックを引用する嬉しいギミックまで披露。そうか、何故かJ.レイ・ソウルが歌うサビが耳から離れないと思ったら、そんな事情があったんだ。まぁこれだけの中毒性があれば、そりゃ売れる訳だよねぇ(笑)他にも意表を突いてMC・ハマーのネタに走った”Vida Loca”や、ゲストにはシャキーラやオズナ、ベッキー・G、ニッキー・ジャム等、ラテン・シーンを代表するアーティストがこぞって参加したりと見どころの多い「Translation」だが、やはり今作最大のニュースはBEPの新ボーカルとして加入したJ.レイ・ソウルの存在ではないか?なんでもフィリピンのオーディション番組がきっかけでBEP入りを果たした彼女は、アフリカン・アメリカンとフィリピンの血を引く混血のシンガーだったりするのだ。(今更だがメンバーのアップル・デ・アップもフィリピン出身)うん、これまでもヒップホップにR&Bやレゲエ / ラテンとジャンルをクロスオーバーさせてきたBEPだが、既に人種の壁までクロスオーバーさせているではないか。人種問題と言えば現在進行形で全米からキナ臭いニュースばかりが報道されている訳だが、今作を聴くとそんな暗いニュースを一瞬でも忘れさせてくれる様だ。やはり音楽は”猿でも分かる世界平和のツール”だったのか・・・なんつってみたりして。ともかく、彼らが一番売れていた2000年代中盤の頃のBEPファンには必聴のアルバムである。
DJ YU-1

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