Adam Lambert / Velvet

Release Date / 20 Mar. 2020

アダム・ランバートの2020年の話題と言えば、〈クイーン + アダム・ランバート〉として3度目となるジャパンツアーを敢行したばかり。なので、日本人的にはアダム・ランバートの印象といえば2代目フレディ・マーキュリーのイメージが強すぎるのだが、アダム名義でのアルバムも毎回に渡ってその個性が強烈だったりするので気が抜けない。恐らく彼の前作のレビューでも似たような件を書いた様な気がするのだが、これからもずっと歌い手としてはアダム・ランバートでありながらクイーンの新ボーカルでもあり続けるのだろう。そんな中、ソロ名義としては約5年ぶりとなるスタジオ・アルバム「VELVET」を発表したアダム・ランバート。クイーンのボーカルとしては2代目フレディの役割をしっかりと果たしつつ、ソロ名義ではまるで元プリンスやキャリア中期までのMJが乗り移ったかのようなアバンギャルドで妖艶なボーカルを披露。個人的には今作「VELVET」では、70〜80年代辺りのエレクトロポップやエフェクトを多用したダンスチューンをストレートにフィードバックした楽曲が目立つと感じたのだが昨今のシーンでの原点回帰の流行を鑑みると、その選択はベストチョイスだったのでは?例えばアルバムタイトル曲である”VELVET”や”Stranger You Are”に加えて”Loverboy”のような曲で聴かせてくれた跳ねる感じのファンクネス。また”Closer to You”、”On the Moon”、”Feel Something”の様なバラード・チューンでも何処か懐かしさを感じるというか、サウンド的には新しいのにも関わらずオーセンティックに響かせてくる感じは何とも不思議な耳触りだ。そして、そのサウンドに乗る歌声も誤解を恐れずに言えば、男である筆者が聴いてもセクシーだと感じる無二の存在感を放つ。更にジャケットのアートワークも含めて艶やかな空気をまとったアルバムとなった「VELVET」だが、果たして前作「The Original High」を凌駕するセールスを記録出来るのか?個人的には今作の個性も非常に強烈だと思うのだが・・・
DJ YU-1

PAGE TOP