Release Date / 26 AUG. 2022
これまでに3枚のスタジオアルバムをビルボードの1位にブチ込こんできた DJ Khaled。ヒップホップDJのリードアルバムとして他の追随を許さない圧倒的なエンターテイメント性は、向かうところ敵なしと言っても過言では無いだろう。その証拠に今年の4月には見事にハリウッドの殿堂入りまで果たしてしまったくらいだ。そして、この生粋のエンターティナーが新たなるアルバムに名付けたタイトルが『GOD DID』。とうとう自らの DJ / スタジオワークを神の領域と評するとは恐れいるが、この表現がハッタリでない事は今作を聴けばすぐに分かる。もう、このアルバム1枚でヒップホップのオールスター戦でも始めるのか?ってくらい豪華なメンツが参加しているではないか。
まぁ、この豪華さはDJ Khaled のニューアルバムと聞いた段階で予想出来た事でもあるのだが、トラップ系のラッパーもブーンバップのMCもゴチャ混ぜで纏めあげる手腕は流石と言わざるを得ない。例えばアルバムタイトル曲でありJAY-Z や Rick Ross, Lil Wayne をゲストに迎えた “GOD DID” や、かつてのJ. Lo のヒット曲 “Do It Well” とのサンプリング元ネタを被せた “Bills Paid” , Kanye のゴスペルとEminem ライムの対比が印象的な “Use This Gospel” 辺りの楽曲で王道のヒップホップを表現したかと思いきや、Lil Durk に 21 Savage をフィーチャーした “Keep Going” , Kodak Black のラップがドス黒く流れる “It Ain’t Safe” 辺りの曲ではサウス色濃いめのトラップ系ビートも用意。この幅広い仕事ぶりは最近のDJの中でも非常に万能なものであり『GOD DID』のタイトルに不足は無いと言い切れる。そして、その他の楽曲でも本当に豪華なゲストが参加した今作だが、ビルボードの公式サイトでは『GOD DID』のアルバムチャート初登場1位を予測との発表も出た。流石に来週以降のチャート予測は気が早いとも感じたが、DJ Khaled が2022年下半期のシーンを掻き回す事は確実なのだろう。
正に、この1枚でメインストリームのヒップホップの全てを見た思いだ。
(DJ YU-1)