Release Date / 5 Aug. 2022
Calvin Harris が2017年に発表した前作『Funk Wav Bounces vol.1』は、彼の本来のフィールドであるEDM/ポップス とR&B/HIP HOPをハイレベルな次元でクロスオーバーさせた完成度の高い作品だったと記憶している。その前作から5年が経過した2022年、そのタイトルからもシリーズ物として前作からの続編である事が伺える『Funk Wav Bounces vol.2』をドロップした Calvin Harris。この『Funk Wav Bounces vol.2』も前作同様に一癖も二癖もあるゲストが参加しているが、そんなアーティスト達が相手でも一貫して彼らしい軽快なトラックで料理してしまうあたりは、流石だな〜っと唸らされてしまった。
まず、アルバム冒頭の “Intro” から続く “New Money” ではアトランタ産のラッパーである 21 Savage をフィーチャー。21 Savage と言えばサウス発の殺伐としたトラップビートに乗せてサグなリリックを吐き出すラッパーであるが、そんな 21 Savage の不穏なフロウですら Calvin Harris の魔法にかかれば非常に耳障りの良いシロモノに変換される模様だ。そして見事なこのマジックは作品の入り方として、彼の健在ぶりをリスナーに示すには持ってこいの展開と言えるだろう。続く “Potion” では、2018年の”One Kiss” 以来の共演となるDua Lipa に加えてまたもやラッパーの Young Thug をゲストに起用。だが同曲でも “New Money” 同様にサグなラッパーのフロウが相手でもダンサブルに仕上げて魅せたCalvin Harris。このクロスオーバーっぷりはベテランラッパーである Busta Rhymes , Snoop Dogg が相手でも全くブレる事がなく、まるでEDM畑出身の彼が新しい HIP HOP の指針を示しているかの様にも聴こえてくるから興味深い。そんな中での今作のハイライトは Justin Timberlake と Pharrell を迎えた”Stay With Me” と、そのPart. 2ではないかと考える。この2曲はアルバム収録の楽曲の中でも突出して華やかなビートを展開しており、かねてからセレブDJとして鳴らした Calvin Harris の真骨頂と受け取れる楽曲になっているだろう。
ここまで聴いていると身体を動かさずにはいられない今作『Funk Wav Bounces vol.2』だが、ワールドツアーに先駆けて?イビサ島でのツアーが敢行されるそうだ。
あぁ〜!確かに彼のビートはイビサ島のロケーションとの相性が良さそうだし、これは納得の展開だ。(まぁ、筆者はイビサ島に行った事はありませんが、、、笑)
DJ YU-1