Robin Schulz / IIII

近年のダンスミュージック・シーンといえば、2010年代半ば辺りまではEDMが地球規模で覇権を握っていたが、その流行もここ数年で随分と落ち着いてきたと思う。この一連のEDMの落ち着きは、とりわけHIP HOP(主にトラップ)の隆盛と共にメインストリームの主役が入れ替わる様にも見えたものだが、この度はドイツから飛びっきりのEDM4年振りにドロップされたので是非紹介したいと思う。そう、本稿の本題はドイツ人DJ = Robin Schulz(ロビン・シュルツ)の通算4枚目となるスタジオアルバム『IIII』だ。

まず今作を結論から申し上げると、Robinのお膝元であるドイツのヒットチャートだけではなく、オランダやハンガリー、またはスイスのチャートでもTOP 10入りを果たす等、まだまだヨーロッパ圏ではEDMの支持が熱い事を証明する作品となっている。そんな今作からの注目曲を挙げるとしたら、昨年の6月にリリースされた“Alane”は外せないだろう。もうタイトルからして直球なのだが、同曲は1996年の大ヒット曲 = Wes“Alane”を大胆にサンプリングした一曲だ。(いや、サンプリングと言うよりかはリメイクに近いか?)この一聴しただけで、誰しもが身体を動かしてしまうくらいフロアライクな“Alane”は、ドイツ・シングルチャートにて最高6位を記録。この他にもAlibdをフィーチャリングした“In Your Eyes”KIDDOをゲストに迎えた“All We Got”、更には2018年にドロップした“Speechless”と、ドイツのシングルチャートで軒並みTOP 10入りしたキラーチューンをズラっと並べてくる辺り、流石はウルトラDJ = Robin Schulzと言ったところである。

そうそう、ウルトラと言えばEDMの祭典〈ULTRA JAPAN〉での来日公演では日本のオーディエンスもロックしてくれたRobin Schulzだが、コロナ禍が鎮まった際には是非とも再来日して、今作『IIII』のキラーチューンを生披露して貰いたいものだ。それだけ今作は素晴らしくダンサブルなアルバムだし、これがスーパースターによる一流の仕事なのだろう。もうね、キャリアにおける総ストリーミング再生60億回は伊達じゃないですよ。今更だが、EDM好きにはマストな一枚。

 

DJ YU-1

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