Release Date / Dec. 15 2017
2017年で言えば3月にミックス・テープ「Number 1 Angel」をリリースしたUK発のシンガー = チャーリー・XCXがこの年末に今年2作目となるミックス・テープ「Pop2」を発表した。日本のファンにとって今年のチャーリー・XCXは、体調不良によるサマーソニックの出演キャンセルという残念なニュースが記憶に新しいが、今作ではキャンセルの汚名挽回と言わんばかりに多彩なゲスト達とのコラボレーションが楽しめる。まず今作からのリードシングルとなる‘‘Out Of My Head’’は「Pop2」のタイトルに相応しいポップス全開の軽快な一曲になっており、ゲストにはタヴ・ローとアルマを迎える。尚、この‘‘Out Of My Head’’のプロデュースはロンドンの異端レーベルとして知られるPCミュージックのAG・クックとソフィーによるもの。実はここが今作のミソで、どうやら「Pop2」はチャーリーとAG・クックの2人による企画で制作されたようだ。それこそリードシングルの‘‘Out Of My Head’’はポップな曲に聴こえるが、それ以外の収録曲は一筋縄ではいかないクセのあるトラックばかりなのはAG・クックの仕事という訳だ。そう、先程は多彩なゲスト達と書いたが、今作ではキャロレイン・ポラチェックが参加した‘‘Tears’’、ブルック・キャンディとの‘‘I Got It’’、‘‘Porsche’’ではデンマークのシンガー = ムーをフィーチャーしたりと、収録曲の大半で様々なゲストを呼んでいる。だが、これだけのゲストが参加しているにも関わらず、何処か実験的で捉えどころの無いAGのサウンドがシンガー達を喰ってしまっているように感じる。これは決してネガティブな見方では無く、むしろ今作はネットレーベルとして次世代の音楽の在り方を体現しているかのような存在であるPCミュージックの尖がった部分を楽しむべき一枚だと思う。確かに、この「Pop2」のサウンドは、ポップシンガーの作品としては好き嫌いが分かれるだろう。だが、個人的にはこの我が道を行く感じは好感が持てる。サマーソニックでは、きゃりーぱみゅぱみゅとの共演も計画されていたチャーリー・XCXだが、来年こそは日英の〈ネオPOPs〉の共演も見てみたい。
(DJ YU-1)
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