Calvin Harris / Funk Wav Bounces Vol.1

Release Date / June 30 2017
ファンク・ウェーヴ・バウンシズ Vol.1
たった10曲というボリュームにも関わらず、聴き終えた後の余韻はその曲数の倍以上に残る。カルヴィン・ハリスのニューアルバム「Funk Wav Bounces Vol.1」の事なのだが、ひたすら煌びやかな曲達にすっかりノックアウトされてしまった。元々2017年はアルバムをドロップする予定は無いが、シングルは多数リリースする事をアナウンスしていたカルヴィン。今年に入ると告知通り素晴らしいシングルを連発していた。フランク・オーシャンとミーゴスと共演した‘‘Slide’’、続いて発表した‘‘Heartstroke’’でもファレル・ウィリアムス、ヤング・サグ、アリアナ・グランデと豪華なゲストを迎えると、いずれのシングルも当然のようにヒットさせた。いや、これまでのカルヴィン・ハリスに抱いていたイメージは筆者だけではなく大抵の人も”EDMのDJ”で間違いないだろう。しかし‘‘Slide’’、‘‘Heartstroke’’の2曲では生音の演奏もイケる新しい一面を見せ、よりファンクな方向へと舵を切った。これには一昨年にマーク・ロンソンが‘‘Uptown Funk’’、昨年にはブルーノ・マーズが‘‘24K Magic’’で見せた原点回帰の流れを思い起こされたが、ここへ来て原点回帰サウンドの完成形?とも言えるアルバムも投入とは恐れ入る。こちらは心の準備が出来てません(笑)この「Funk Wav Bounces Vol.1」と銘打たれた今作ではスヌープ・ドッグ、D.R.A.M、フィーチャー、ジョン・レジェンド、スクールボーイQ、ニッキー・ミナージュetc・・・枚挙に暇が無い程のゲストが参加しているが、全てのゲストが‘‘世界一稼ぐDJ’’の引き立て役に思えてくるくらいだ。これは新しいカルヴィン・ハリス、いや今後のダンスミュージックの方向性を占う重要な試金石になりうる可能性を秘めた一枚だと断言出来るだろう。EDMブームを支えてきたトップDJがこれまでのダンスミュージックシーンの概念を自らぶっ壊す様はひたすら痛快だ。とにかく一度聴いてみて下さい。
(DJ YU-1)

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