Release Date / April 23 2016
もはや女帝とでも呼びたくなる実績に新たな勲章が。4月23日にTIDAL先行で発表されたビヨンセのニューアルバム「Lemonade」は初動で約50万枚近くのセールスを記録し、アルバムチャートでは当然の如く初登場1位につけた。これでビヨンセはソロデビューから6作連続で全米チャート初登場1位を獲得した訳だが、これは史上初の快挙である。ビヨンセならあり得る快挙とも思えるが、エンターテイメントの歴史が長いアメリカの中で今更ながら新記録が更新されるというのは実に脅威的な事である。なんといっても史上初という事は、あのマイケル・ジャクソンやマドンナですら飛び越えた金字塔なのだから!無論、ビヨンセがトップを走り続けるには理由があり、今作「Lemonade」でもビヨンセのエンターテイメントの女帝っぷりに酔わされた。
まず2月に発表されたアルバムからのリードシングル‘‘Formation’’は人種差別問題や男女間の格差を強烈に皮肉るリリックに加え、曲に連動したミュージックビデオも大きな話題になったが、実は今作はビジュアル・アルバムなるコンセプトの元に映像作品としての側面も持っているというのだ。アルバム収録の全12曲にミュージックビデオが制作されたそうだが、その映像の初公開がまたぶっ飛んでいる(笑)なんと米HBO放送局の放送枠を買収し、その枠をアルバム先行プレミアと称して放送するという力技を披露!他アーティストの追随を許さないエンターテイナーぶりである。もちろん今作はプロモーションの巧さだけのアルバムでは無く、ケンドリック・ラマーやザ・ウィークエンドに黒人ベーシストのマーカス・ミラー等、旬のアーティストもバランス良く起用。ミュージックビデオの方のゲスト陣も豪華で、夫のジェイ・Zに愛娘のブルー・アイヴィだけでなく、テニスプレーヤーのセリーナ・ウィリアムズ、女優のアマンドラ・ステンバーグやゼンデイヤ等、映像の方でも楽曲のレコーディング並のこだわりを持って制作されたことが伺える。更には‘‘Hold Up’’を始めとする複数曲で夫のジェイ・Zの浮気を仄めかすようなリリックも散見され、なんというか「Lemonade」はエッジの効きすぎる作品という印象なのだが、今作の売れっぷりを見るにこれくらいの刺激でもさりげなく纏められるビヨンセというアーティストにしか作れないアルバムなんだと思う。次回作で初登場1位の記録を更に伸ばして、遥か遠いところまで独走しそうな勢いである。
(DJ YU-1)
- ホーム
- New Releases
- Beyonce / Lemonade