Jin Akanishi / Japonicana

Release Date / Mar. 7 2012
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これまでに幾度となくチャレンジしてきた日本人の全米デビュー。同じ日本人として頑張って欲しいという願いからレビューを書かせていただくが、古くは矢沢永吉や同郷のフラット・バッカー(EZO)そして宇多田ヒカルまで広く応援をしてきたが、結果はどうだろう?彼のKAT-TUN時代での活動は省略させていただくが、彼自身がメンバーを抜けてアメリカへの挑戦を語った時、ナント勇敢な青年だろうと思った。私の知っているところで言えば、日本でいくら売れていても一度アメリカへ渡ったら、そこはゼロからのスタート。アメリカ人と同等に音楽で張り合うには、相当な気の強さと、誰もが納得できる実力、そして一番大事なコミュニケーション能力がモノを言う。それに加え販促チームが販売戦略を企てるには相当なブレイン集団が必要であり、ラジオを中心にメディアへの売込み、有能な弁護士と、ミュージック・ビジネスの競争レベルが日本とは比べ物にならない市場に殴り込みをかけるわけである。そんな戦場で売れる仕組みを作るには2つの方法しか無いのだが、長くなるのでそれは割愛させていただく。さて、今回USリリース盤となる音源9曲を早速聞かせていただいたが、予想以上に素晴らしい出来。特にアルバムからのセカンド・シングルとなった”Sun Burns Down” は、曲のキャッチーさに加え、トラックを制作したプロデューサー・チームStereotype(ステレオタイプ)が作り出す爽快な4打ちが非常に心地よい。ステレオ・タイプはアジア系のグループFar East Movementを世に送り出し、成功したチームであり、Akanishiの曲についても総力を結集して取り組んだようだ。彼のスイートな部分を100%引き出しており、曲のメイン・ボーカルとバッキング・コーラスの緩やかなハーモニーはまさに絶妙としか言いようがない。そして全米デビューとなったのはヒットメイカーJ.R. Rotemが手掛けた”Test Drive”でRotemのレーベル「Beluga Heights」に所属するJason Deruloをフィーチャーした作品。現在この曲はメイン・ミックスを始め7th Heaven Mixなど全4つのミックスがリリースされている。その他にも、恐らく次のシングルになるのだろうか”California Rock”というトラックはエッジのきいたパーティーチューン。果たしてこの力作が2012年3月24日付けの全米のアルバム・チャートで何位に食い込んでくるのか?宇多田ヒカルの09年作「This is the One」(69位)を抜くことが出来るのか?個人的に非常に楽しみである。頑張れ!

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