ソウルピーナッツ

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Major Lazer / Afrobeats

Release Date / 13 Sep. 2018

所謂ブラック・ミュージックのアーティスト達(とりわけラッパーに多く見られる)の発言の中に〈ルーツ〉と言う単語が比較的多く見られるのだが、これは文字通りアメリカ在住の黒人達の〈出自 = ルーツ〉という意味である。例えアメリカに産まれて音楽活動をしている黒人のアーティストでも、自身のルーツであるアフリカへ馳せる気持ちは誰しもが持っているようで、これまでの数々のアーティストの楽曲やインタビュー等を振り返ってみてもブラック・ミュージックの重要なキーワードの一つとして〈ルーツ = アフリカ〉といった趣旨の発言が確認できる。では肝心のルーツであるアフリカのミュージック・シーンってどうなんだろうか?
さてこの辺で本題に入るが、ここ数年に渡ってアフリカ系の独特なリズム(アフロビート)がダンスミュージック・シーンでにわかに脚光を浴びてきたと感じる。きっかけは2015年のメジャー・レイザーの‘‘Lean On’’、または2016年のドレイクの‘‘One Dance’’といったアフロビートを引用した曲達の世界的な大ヒットが要因と考えられるが、ヒップホップともEDMとも融和性の高いアフロビートのリズム感がダンス・シーンから注目を集めるのは当然の結果とも思える。いや、これが本当にカッコいいんだな。そう、このアフロビートの集大成とも言えるメジャー・レイザーの「Afrobeats」はダンス・ミュージックとしても完成系と言いたくなるくらいの極上のDJミックス!「Afrobeats」というタイトルからも分かる通り、今作ではDJスネークとのコラボが記憶に新しいニニオラや、バーナ・ボーイ、ミスター・イージーといったアフリカ系のアーティストがフィーチャーされているが、先述の通りヒップホップともEDMとも融和性の高いアフロビートのリズム感には乗せられっ放しである(笑)まさに全ジャンル対応可能の万能ビート。これはしばらく流行るのでは?と思うと同時にアフロビートに目を付けたメジャー・レイザーのディプロは、やはりDJとしては天才だなと感じる。ダンス好きなら必聴すべし。
(DJ YU-1)

Magic! / Expectations

Release Date / 7 Sep. 2018

ナスリのイメージといえばカナダ発のレゲエ・バンド = Magic!のボーカリスト?それともジャスティン・ビーバーやクリス・ブラウン、ピットブル等のトップアーティストに数々のヒット曲を提供したことで知られるプロデュース・チーム = メッセンジャーズのメンバー?個人的にはどちらのイメージも強いのだが、そもそもMagic!の楽曲自体もメッセンジャーズ主導で制作されているので、このバンドのサウンドは良くも悪くもナズリの出来に左右されるといった見解で間違いないだろう。いや、これまでにMagic!の楽曲で出来の悪い曲なんてあったっけ?2014年にシングル・チャートにて6週連続1位を記録したヒット・シングル‘‘Rude’’でデビューして以降、1stアルバム「Don’t Kill The Magic」、2ndアルバム「Primary Colours」と立て続けに素晴らしいアルバムをドロップしてきた彼等だが、この度に発表された通算3枚目となるスタジオ・アルバム「Expectations」でもMagic!の真骨頂と言えるレゲエのエッセンスをバンドサウンドに取り入れた極上のプロダクションが楽しめるのだから、今更ながらナズリの才能に疑いの余地はない。そんな今作からの先行シングル‘‘Kiss Me’’は、かつて大ヒットした‘‘Rude’’を彷彿とさせるミディアムテンポの緩さがクセになる1曲。これがMV公開から僅か5日間で動画再生回数100万回を超えるのだから彼等の注目度の高さは相変わらずだ。この‘‘Kiss Me’’以外でも‘‘Appreciate’’、‘‘Darts In The Dark’’といったレゲエのフレイヴァが強めの曲から‘‘Core’’や‘‘More Of You’’といったスロウなバラードまで無駄の無いソングリストはリピートして聴いても飽きがこない。やはりレゲエと言えばサウンドシステムをバックに爆音を掻き鳴らすダンスホールのイメージが強いが今作「Expectations」は、Magic!のようなバンド編成でレゲエを聴くのも断然アリだと思わせるアルバムになっている。贅沢を言えばゲストアーティストとナズリの絡みも楽しみたかっが、その辺は次回作で堪能できるように期待してます!
(DJ YU-1)

Eminem / KAMIKAZE

Release Date / 31 Aug. 2018

さて、この斬れ味の鋭い刃物のようなアルバムを一体どの角度から批評すれば良いものか?もう、たった一枚のアルバムに色々な要素がてんこ盛りで・・・これはライター泣かせというか、活字で紐解くことを躊躇するというか(笑)という訳で相変わらずの問題児ぶりでシーンを掻き回すエミネムの新作「KAMIKAZE」がヤバいことになっている。まず、今作のどの辺がヤバいかというとセールス面での記録だろうか?今更だがエミネムと言えば数々のヒットで知られるMCだが、彼は今回も御多分に漏れず「KAMIKAZE」でも全米アルバム・チャート初登場1位を獲得。これで2000年の「The Marshall Mathers LP」でのデビューから9作連続でアルバム・チャート1位を獲得したことになるが、これはとんでもない記録ではないか?モンスターのようなアーティストがひしめくエンタメ大国アメリカのチャートにおいて2位以下のアルバムを一度たりともリリースして無いとは・・・しかも白人のラッパーがだ。もちろんこんな化け物じみた記録はエミネムだけの勲章で、前作「Revival」での8作連続1位が新記録だったくらいだ。もはや他のアーティストに背中を見せないくらいの独走状態と言えよう。もし、これに追いつく可能性があるとしたらドレイクくらいか?そんなドレイクですら今作のタイトル曲‘‘Kamikaze’’では痛烈にディスられる始末なわけで。そう、今作の本当のヤバさはセールス面では無く、リリックの内容が大問題なのだ。もう収録曲の大半がディスソング!特にエミネムは最近流行のマンブルラッパー(リリックの発音をわざとルーズにして聴き取り辛くするスタイルのMC)には御立腹のようで(笑)まず‘‘The Ringer’’ではリル・ヨッティとそのフォロワーMC達を、‘‘Not Alike’’では今売れに売れているミーゴズを標的にマンブルラッパーのスキルを痛烈にディス!他の曲達でもベテランのジャ・ルールに加えて先述のドレイク、またはタイラー・ザ・クリエイターとマンブル以外のアーティストにまでディスの毒牙が及ぶが、今作のもう一つのヤバさは、このエミネムの圧倒的なスキルだ。例えば‘‘The Ringer’’や‘‘Lucky You’’で見せたマシンガンのようなライムなんかはマンブルラッパーがマネしようものなら舌を噛んでしまうのでは?(笑)まぁ、マンブルスタイルを意識して過剰に早口なライムにした可能性もあるが、ここまで言葉を詰め込まれてしまっては素直にエミネムを上手いと認めざるを得ない。まぁ、伊達に自らをラップ・ゴッドとは呼んでいないということか。仮にリリックの内容が分からなかったとしても必聴の価値あるアルバムに仕上げるあたりは確かに神がかっている。
(DJ YU-1)

Estelle / Lovers Rock

Release Date / 7 September 2018

デビュー当時は〈UKのローリン・ヒル〉と呼ばれるほどのシンガーだったエステルだが、改めて聴いてみるとデビュー最初期はラッパーとしての一面が強かったりして、確かにローリン要素が濃い目のシンガーだったと気付かされる。という訳で、エステルと言えば何といっても2008年に大ヒットしたスタジオ・アルバム「Shine」のイメージが浮かぶのではないか?当時「Shine」は、あのジョン・レジェンドの全面バックアップで制作されたという点もさることながら、シンガーとしてもラッパーとしてもビートを乗りこなす彼女の縦横無尽さから、まさにフージーズ初期の頃のローリン・ヒルと同じようなフレイヴァを感じたと記憶している。その後のエステルの活動を振り返ってみても、どこかヒップホップ・ソウルと言うか現代的なR&Bシンガーの第一人者という印象が耳に残るくらいなので、そんな彼女がニューヨークを拠点とするレゲエの最大手レーベルであるVPに移籍したというニュースは、個人的には少しショッキングな出来事だった。しかも自身にとってVP移籍後初となるアルバムのタイトルが「Lovers Rock」って・・・これじゃあエステルの事を初見の人が聴いたら、彼女の事をレゲエがルーツのアーティストだと勘違いしちゃうよ(笑)
なーんて言いつつも実際に今作を聴いてみるとラヴァーズ成分を交えつつも、力強いソウルフルなR&Bが楽しめるのでご安心を。そもそもエステルは、以前にもショーン・ポールとの‘‘Come Over’’や、ジプシャンとの‘‘Majestic Love’’での客演でレゲエシーンからも評価されていたくらいなので今回のVP移籍も自然な流れだったのかも知れない。そして今作の鍵を握るのはエステルとは先述の‘‘Come Over’’以来のプロデュースとなるスーパー・ダップスだ。実は‘‘Come Over’’はVPのコンピレーションの「Reggae Gold 2009」に収録されていたりと、今作「Lovers Rock」の伏線となっているところが面白いし、実績のある組み合わせ〈スーパー・ダップス × エステル〉だからこそ、ラヴァーズとR&Bの配分が絶妙なバランスのアルバムになったのかもしれない。そう、今作の様にアーティストの出身地や細かなジャンル分け等で区別できない作品に出会うと音楽って本当に楽しい娯楽なんだと思う。だってセネガル産まれでUKの育ちのエステルが、ニューヨークを拠点とするレゲエ・レーベルのVPからR&Bをドロップだぜ?もう意味わからないだろ?(笑)さて、能書きはこの辺にしといて、珠玉の歌声を楽しもうじゃないか!
(DJ YU-1)


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