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Fantasia / Back To Me
Release Date / Aug. 24th 2010

現在、シーズン9を終えたアメリカン・アイドル。Fantasia がシーズン3からの優勝者であることは、今更説明の必要もないが、当時と比較すると随分と参加者のレベルに差があるように思える。同じシーズン3にはシンガーとしては無論、女優としても成功を果たしたジェニファー・ハドソンがトップ7で脱落するなど波乱続き。ここ最近の番組優勝者は、デビュー後の苦戦が目立っており、初期の圧倒されるようなキャラクターが少ない。それに比べてファンテイジアはどうだろう? 04年のデビュー作「Free Yourself」は全米アルバムチャート初登場8位、アルバムはその後もロングヒットを記録。06年「Fantasia」は19位と順位は落したもの、結果的には50万枚以上をセールスしゴールド・ディスクを獲得。そして本3作目「Back to Me」である。アリス・ウォーカー脚本、スピルバーグが手掛けたことで有名な「The Color Purple」のミュージカルでは主演でステージを務め、更にはリアリティー番組にて人目にさらされる生活の中、音楽絶対主義である自身を証明すべく、見事なカムバックを遂げた作品となった。iTunes storeで先行リリースとなった“Bittersweet”はアメリカン・アイドルのシーズン9にサプライズ・ゲストで出場した際に全米ネットにて公開され、現在に至ってもラジオ局にてローテーション中、全米シングルチャートにも顔を出し始めた。制作にはRihanna やChrisette Michele、Ne-Yoの仕事で知られるChuck Harmonyを始め、売れっ子プロデューサーのLos Da Mystro など。発売日を控え自殺報道が衝撃的に報じられる中、実力に満ちた本作の行方を追い続けたい。
Usher / Versus
Release Date / Aug. 24th 2010

アッシャーのスタジオ・アルバム7作目。US盤と日本を含むヨーロッパ向けリリース盤には曲の内容に若干の違いがあるようだが、今年の3月に全世界でリリースした「Raymond V Raymond」の続編で、新曲9曲が収録されたミニ・アルバムという位置付けのようだ。ちなみに私が手にしている本作は前作からの大ヒット曲 ”OMG” の4つ打ちミックスがボーナスとして収録。(輸入盤の種類によっては収録されていませんので注意)ウィルアイアムがプロデュースを担当した ”OMG” はアメリカやヨーロッパ、日本を含む18カ国でチャートイン。2004年にリル・ジョンが手掛けたアッシャー最大のヒット・シングル「Yeah!」の記録を塗り替える勢いで現在もセールスを伸ばしている。そしてEnrique Iglesias(エンリケ・イグレシアス)の新作にて注目となったRedOne 制作の ”Dirty Dancer” もボーナストラックとして楽しみことができる。Usherの弟分としてポップ界に爆弾を落としたJustin Bieber(ジャスティン・ビーバー)の最新作「My World 2.0」ではアッシャーをフィーチャーしていたが、この度はジャスティンをフィーチャーする形で「Baby」ビート全快のリミックス・バージョンを披露している。アルバムからのシングルは7月初旬からラジオにてオンエアが始まった ”DJ got us Fallin’ in Love” をフロア向けにドロップ。Pitbull(ピットブル)をフィーチャーし、盛り上がらない要素は全く見当たらなく、アッシャーのボーカルラインを最大限に生かした踊りやすいトラックである。他にもJay-ZをフィーチャーしたPolow Da Don 制作による ”Hot Tottie” もっとコアなヒップホップ・リスナーのためにBun Bをラップに迎えた ” Get in my Car” など聴きどころは豊富。2010年はまさにアッシャーの年、前回とのダブルリリースで完全にとどめを刺した・・・そんな強烈な印象。
John Legend & The Roots / Wake Up
Release Date / Sep. 22nd 2010

John LegendとThe Rootsという2つのビックネームがコラボレート。ベトナム戦争や黒人による人権運動など、アメリカに劇的な変化をもたらした70年代をテーマにカヴァーアルバムが発売される。元々政治や社会活動に熱心なジョン・レジェンドがこの企画を思い立ったのは2008年の夏。アメリカは勿論、世界中が沸いた黒人初の大統領の誕生劇、バラク・オバマ氏の選挙キャンペーンでのこと。先の見えない大不況、イラク戦争問題など激しい時代背景は、もしかして70年代と今を生きる私たちを重ね合わせられるのかもしれない。本作のカヴァーにはBaby Hueyの「Hard Times」で幕を開け、先行シングル曲「Wake Up Everybody feat. Common & Melanie Fiona」(オリジナルはHarold Melvin & the Blue Notes)80年代のニューヨーク・ハウスDJ達が必ずプレイしていたメッセージ・ソングが大々的に取り上げられている。他にもDonny Hathawayの隠れ名曲「Little Ghetto Boy」、Marvin Gayeが社会問題や反戦メッセージを歌ったことで知られる最高傑作『What’s going on』から「Wholy Holy」を選曲。私が個人的にアルバム中で最高の出来だと感じるのはBill Withers がベトナム戦争の兵士について書き下ろした「I Can’t Write Left Handed」。ジョンが歌詞の世界へ同化し、ラストに繰り広げられる激しいギターソロと共に心が引き裂かれる想いだ。70年代に歴史を残したレゲエ・アーティストLincoln Thompson の「Humanity」もThe Rootsならではのバンドが成せる技。ジョンの歌声はルーツが叩きだす生ライブ音の勢いに押され、これまでに無かった素晴らしいインスピレーションを見せる。バンドならではのヘヴィーな重量感、ブラック・ソウトとの絡みも抜群!アルバムを聴き終え、このダブルヘッダーの来日公演を夢に見るのは私だけではないハズだ。
Bun B / Trill O.G.
Release Date / Aug. 3rd 2010

本作はBillboardの全米アルバムチャート統計で41000枚をリリース週に売り上げ4位を記録。2005年「Trill」6位、2008年「II Trill」は最高位2位にチャートイン、ほぼ好調に推移し続けるセールスは、もはやヒップホップ界ではキングへのチャンピオン・ベルトを掲げるアーティストに値する。昨年は長期に渡って活動を続けたUGKメンバーで故人のPimp C に捧げた追悼アルバム「UGK 4 Life」を作り上げ、グループとしては実質の活動に自ら終止符を打ち、サウスラップの歴史に伝説を刻み込んだ。さて、本作「Trill OG」はリリース前から本人の意気込みから前評判が飛び交っていたが、その期待を裏切らない仕掛けやスパイスをふんだんに盛り込み、Source MagazineやXXL Magazine にて高評価を得る結果となった。ファースト・シングルには現在最もホットなアーティストGucci Mane とYo Gottiの2本立てと共に“Countin’ Money”をリリース。続いてジャスティスリーグ制作、T-Painをフィーチャーした“Trillionaire”、Drumma Boy制作Young Jeezyをフィーチャーした「Just Like That」を立て続けにリリース。7月だけの1ヶ月間で一気に3曲を送り込み、8月のアルバム・リリースにこじつけるという強引さ。徐々にシングルカットされた3曲がフロアに響き始めるはずだが、話題性という意味ではPimp Cと2Pac のレジェンドにTrey Songzをプラスした“Right Now”、Drakeをフィーチャーした“Put It Down”、“It’s Been A Pleasure”、オールドスクールなトラックを味わえるDJ Premier制作の“Let ‘Em Know”、Letoyaをボーカルに起用した“All a Dream” などアルバム全体を通じて具沢山、時間と労力を十分に使い完成させたパンチの効いた作品となっている。














