Jack Harlow / Thats What They All Say

Release Date / 11 Dec. 2020

 ケンタッキー州の生まれながらもアトランタに拠点を置く白人ラッパーのJack Harlow(ジャック・ハーロウ)が、新たにドロップした1stアルバムが『Thats What They All Say』だ。そして、今作が到底デビューアルバムだとは思えないのはJack Harlow というMCが、これまでに数々のミックステープをヒットさせてきたからに他ならない。そう、2016年に『18』をクラブヒットさせた彼は2017年の『Gazebo』、また2018年にはメジャーレーベルであるアトランティック傘下のGeneration Nowから発表した『Loose』など、質の高いミックステープを立て続けにドロップしてきた実績があるのだ。なので、当然Jack Harlow の名はシーン内外に知れ渡っており、今になって1stアルバムと言われてもピンとこないのだが、野暮なツッコミはこの辺にしておこうか()

では本題に入るが、そんな今作の中でも間違いなく外せないのが先行シングルである“Whats Poppin”だろう。コミカルなピアノループが印象的なトラックにJack のタイトなライミングが見事にハマっている同曲はビルボードのシングルチャートでも最高2位を記録し、更には次回のグラミー賞のベスト・ラップ・パフォーマンス部門にノミネートされる程の注目曲なのだが、なんと言っても目玉は“Whats Poppin”のリミックスの方だ。トラックはオリジナルから据え置きにしたままながらも DaBabyLil WayneTony Lanez との豪華なマイクリレーが楽しめるリミックスはYoutubeでの再生数が1億回を突破。尚、この“Whats Poppin”のリミックスはアルバムの方にもボーナストラックとして収録されているのでご安心を。他にも、今一番脂の乗っているトラックメイカーのHit-Boy が手掛けた“Rendevous”Lil Babyをゲストに迎えた“Face of My City”Chris Brown と共に女性との情事を艶やかに歌った“Already Best Friends” 等を筆頭に粒揃いのトラックリストで楽しませてくれた『Thats What They All Say』。最新のアルバムチャートでも初登場5位と上々の滑り出しだが、この好調さを支えているのがJack Harlow 本人のラップのスキルにある事を忘れてはならない。うん。アトランタに拠点を置くMCにしては珍しく?しっかりとトラックにアプローチするライムとフロウは、22歳の若さにして完成の域に近いとすら感じたくらいだ。間違いなく奴のスキルはド〜〜プ。

DJ YU-1

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