Wyclef Jean / Carnival III

Release Date / Sep. 15 2017

「元フージーズ」なんて枕詞を付けずとも名実共にトップ・プロデューサーであるワイクリフ・ジョンが久しぶりにスタジオ・アルバムをリリースした。なんといっても自身名義としては8年振りの新作だ。この間にも2012年には自著『Purpose: An Immigrant’s Story』の中で当時のフージーズの解散理由としてローリン・ヒルとの不倫関係を暴露(個人的にはかなりショッキングな内容だった)、更には2014年にはアヴィーチーと共に制作し、サッカーW杯の公式ソングとなる‘‘Dar um Jeito(We Will Find A Way)’’の発表があったものの、最近の活動としてはそれくらいのもので、殆どの時間を今作の準備の為に表舞台から姿を消していたワイクリフ。そしてソロ・アルバム「The Carnival」第一弾の発表から約20年の時を経た2017年、遂に「Carnival III : The Fall And Rise Of A Refugee」へと漕ぎ着けた訳だ。これまでの彼の‘‘Carnival’’シリーズはヒップホップ、レゲエに加えて自身の出自でもあるカリブ音楽も交えたダンサブルなチューンが中心だったが、今作でも予想通りこれを踏襲。8年振りでも相変わらずのワイクリフ節はもはや様式美といったところか。スーパー・マリオ(任天堂的に名前の権利は大丈夫か!?)が手掛けた今作からの先行シングル‘‘Fela Kuti’’ではアフロ・ビートを巧みに取り入れたBPM早めの南国ビートを披露し、この‘‘Fela Kuti’’と同時リリースの‘‘What Happned To Love’’でもBPMがやや早めの80’sディスコ・チューンになっていたりと、これまでのワイクリフの曲と比べるとやや跳ねたビートが目立つのが今作の特徴か?他に特筆すべきポイントとしてはワイクリフが現在所属しているレーベルのHeads Musicの若手アーティストのゲスト参加がやけに目立ったことが印象的だ。しかし、インディレーベルのホープをフックアップしつつも自分のシットの色はしっかりと出すあたりは流石はベテランの矜持。さしずめカリブ海のDr.Dreとでも呼びたくなるくらい素晴らしいアルバムだと思うが、一つ注文をつけるなら今作「Carnival III : The Fall And Rise Of A Refugee」は真夏にリリースして欲しかった。まぁ、今年の夏は今作に似つかわしく無い冷夏だったけどね(笑)
(DJ YU-1)

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