OneRepublic / Oh My My

Release Date / Oct. 7 2016
オー・マイ・マイ(スペシャル・プライス盤)
大の親日家としても知られるライアン・テダーを擁するバンド、ワンリパブリック。日本ではワンリパブリックというバンド名よりも音楽プロデューサーとしてのライアン個人の方が知名度が高いだろうか?かく言う筆者自身、本稿を執筆するにあたりより深くライアン・テダーを知る事になる訳だが、これがなかなか一筋縄ではいかない男だった。ワンリパブリック=売れているロックバンドという認識で今作を聴き始めたが、このバンドは単純にロックの一言で片付けられない深さがある。そもそもソングライターとして活動していたライアンがプロデューサーとして開花するきっかけを作ったのはR&B畑のティンバランドだ。ティンバランドとの接点は‘‘Apologize’’のヒットで知られているところだが、それ以外でのライアンの仕事ぶりを振り返るとババ・スパークスやベイビー・バッシュなどのラッパーから、レゲエ界ではショーン・ポールと正にジャンルレスに楽曲提供をしている事がわかる。これまで筆者が彼に持っていたイメージは、アデルやビヨンセとの仕事でグラミー賞にノミネートされて出世したシンガーソングライターであったが、実際にはそんな単純なものではなかった(笑)このように様々なジャンルの音楽をスポイルする懐の深さが際立つライアン・テダーという男が世界中を旅しながら制作した渾身の一枚が今作「Oh My My」という訳だ。ライアン自身が親日家というだけあって、来日中に制作されたというシングル‘‘Kids’’や、同曲よりも前に発表したリードシングル‘‘Wherever I Go’’のミュージックビデオの着想も日本で得たと公言するなど日本のファンにも気になる今作だが、やはり印象としてはジャンルレスなオルタナティブロックに傾倒している。思わずオルタナティブという便利な言葉に逃げてしまったが、ストレートに格好良いアルバムなので何も考えずに聴いてもらいたい。現に今作が最新のアルバムチャートで初登場3位に確定したニュースが飛び込んできたところだ。前作「native」の最高4位を早くも更新という事になる。いや、そんな事よりもここまでリアルタイムで売れているアーティストがリップサービス抜きで親日家ぶり全開なのが微笑ましいではないか。ワンリパブリックは、もっと日本でも注目されるべきバンドでは?
(DJ YU-1)

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