Lupe Fiasco / Lasers

Release Date / Mar. 8th 2011
Lasers
1982年2月生まれ、2011年3月時点で29歳となる3作目のリリース。同郷Kanye Westのセカンド「Late Registration」に収録のシングル”Touch the Sky”に参加して以来ソロへの一途をたどり、デビュー作「Food & Liqur」に収録“Daydreamin”がグラミーアワードの“Best Urban/Alternative Performance”にて受賞を果たす。07年12月に放った2作目はリリース週に143407枚を売上げ全米アルバム・チャート15位の記録を樹立。デビュー作に続き09年のグラミーでBest Rap Album部門にノミネートを果たし、結果的にはアメリカ国内でゴールド・ディスク認定(50万枚のセールス)を遂げた。そして前評判がざわめく中リリースされた本作のアルバム・ランキングは誰もが予想しない結果となったのだが、同じ週にリリースを控えていたカントリー界の女王Sara Evansやポップ界のカリスマAvril Lavigne、アメリカで最重要ロックバンドと位置付けられるR.E.M.、そいて現在最も視聴率の高い全米ネットワークのFox TVが手掛けるドラマのサントラGleeを押しのけ1位の座を奪い取ったのが本作「Lasers」であることを知っていただきたい。作品は08年から2年以上を費やし収録、The Neptunesを始めYoung Moneyを手掛けたThe Audibles、昨年大ヒットを果たしたBruno Marsの“Just The Way You Are”を代表作にラップ関連にて多種多様な音を提供するNeedlz、そしてEminemの“Love the Way You Lie”やB.O.Bの“Airplanes”を手掛けたAlex da Kidなどをプロデューサーに迎えた他、ゲストにTrey SongzやJohn Legendといったメジャーの参加も実現。コアなラップ・リスナーだけではなく、より広い幅の層にアピールした全体像を作り上げた。地元のオバマ大統領を批判した“Words I Never Said”を象徴とする政治的なラップは賛否両論を巻き起こしたが、いずれにしても話題として取り上げられるに相応しいアーティストである。出版元レーベル「1st & 15th」のCEOを務める彼がアルバムの制作過程においてレコード会社との歪みを乗り越えて完成させたという本大作は強い光を放つレーザーというタイトルに例えられている。

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