Lil Wayne / Rebirth

Release Date / Fab. 2 2010
Rebirth
予てから噂されていた全米が注目するアルバム「Rebirth」がドロップされたわけだが、実際に蓋を開けてみると賛否両論で意見が対立しそうだ。Hot Boys時代から地道に活動をし、今や彼ほど影響力があるヒップ・ホップ・アーティストは存在しない中、誰がエレキ・ギターを片手に完全なロック・アルバムを作り上げるリル・ウェインを想像しただろうか?確かに08年にはFall Out Boyのアルバムに参加するなど、意外性を秘めた兆しが見え隠れはしていた。昨年リリースしたこのアルバムからのシングル「Prom Queen」はウェインと教えられなければ、わからないほどのロック曲だった。ビルボードでの最高位は15位と悪くは無く、オートチューンを駆使した声であおり立てる、ヘヴィーなギターサウンドが好感だったのだろう。09年の暮れにセカンド・シングル「On Fire」がリリース。Amy Hollandの曲をそのままサンプリングした曲で、俳優アルパチーノの出世作「Scarface」では彼女とディスコでもめるシーンで流れていた曲で、ギャング映画世代には思いいれが強い。「On Fire」はシングル・チャート62位止まりと数字的には良くないが、実際は多くのHip Hopラジオ局でオンエアされ、古くからのウェイン支持者に受け入れられていたようだ。アルバムの制作にはJ.U.S.T.I.C.E. LeagueやDJ Infamousのようなヒップホップ・プロデューサーがメイン。彼らにとってもロックへの新たな挑戦だったに違いない。フィーチャーリングにはYoung Money(ヤングマネー)のアルバムでは存在感が薄かった女性アーティストShanell(シャネル)がサポート・ヴォーカルを務め、恐らく全般的な制作にも関わっていたのではないかと推測する。現在リリースされているサード・シングル「Drop the World」ではEminem(エミネム)をフィーチャー。アルバム全体の感想としては、良い意味でも悪い意味でも「一流の寿司職人が作るイタリアン・・・」と言った感じか?

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