Big Sean & Metro Boomin / Double Or Nothing

Release Date / Dec. 8th 2017

それにしても2017年のメトロ・ブーミンは多作すぎる。なんといってもメトロは、筆者も先日レビューした21 サヴェージとオフセットとの共作「Without Warning」をリリースしたばかりだ。それから僅か一カ月程のスパンで、今度はビッグ・ショーンとの共同名義で「Double Or Nothing」なるアルバムをドロップしてきたとは。まだまだ「Without Warning」がチャートインしているにも関わらず新作をリリースなんて、、、今年でいえば21 サヴェージにも言えた事だが、この人達にはトラックやリリックを出し惜しむという感覚は無いのか!?筆者としてもここまで制作意欲が旺盛なメトロ・ブーミンに感心する半面、一曲一曲毎のクオリティが薄まらないか心配になるくらいだ。実際、ライト層のリスナーが一聴したくらいでは「Without Warning」と「Double Or Nothing」の区別がつかないのでは無いか?
確かに「Without Warning」では21サヴェージにオフセット、「Double Or Nothing」ではビッグ・ショーンという、個性の異なるMCが軸となっている。しかしながら両作ともトラックメイカーがメトロのみの一辺倒だと流石に食傷気味に感じてしまうのが本音だ。もちろん何小説か聴いただけでメトロのビートだと分かる世界を確立したことは彼が一流であるが故だが、だからと言って同じようなトラックを短期間に20~30曲も披露すべきだったかは疑問である。ただ、今作ではメトロにしては珍しいサンプリングトラックの‘‘Whos Stopping Me’’や‘‘No Hearts, No Love’’で曲調の変化も楽しめる。両曲ともなかなか面白いトラックに仕上がっているあたりは流石の仕事ぶりだ。ただ、それだけに他の曲達のワンパターンぶりも余計に目立ったのだが・・・特に前作で共演したばかりの21サヴェージをゲストに迎えた‘‘Pull Up N Wreck’’なんかは前作と今作のどちらに収録していたか、来月には覚えていないかも(笑)
と、ここまでは酷評のレビューになってしまったが、今作がヒップホップのアルバムとして完成度が非常に高いことは間違い無いので悪しからず。もしリリースの間隔がもっと開けば、聴こえ方もポジティブな方向に変わっていたに違いない。
(DJ YU-1)

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